平山夢明の「ヤリボンこきまSHOW！」with春日武彦（上）

文学とトラウマ

世界一陽気なホラー作家・平山夢明の、寝入りばなの悪夢のような？連続対談。
毎回、平山先生と濃くて深い交友のあるゲストをお迎えして、
ときに熱く、ときにけだるく、じっくり語らいます。
タイトルの「ヤリボン」は「ぼんやり」のアナグラムだそうです。
「聴く人にもぼんやりしてもらおう」とは平山先生の言。
なにより画期的なのは「出演者も敢えてぼんやりする！」との宣言です。



今回のゲストは、精神科医で作家の、春日武彦さんです。
まずは、聴いてタメになる、銀座の夜にふさわしいトークをと意気込みます。
メインテーマ（飽くまで予定）は、《文学とトラウマ》。

かれこれ7,8年前、平山さんは診察券を作って、春日先生の患者になりました。
どうにも小説が書けなくて、よく効くクスリをもらえればとの思いで。
ところが春日先生からの処方は、投薬ではなく……。
言われるとおりにしたら、なんと年に6冊も書けてしまった！
「そのまえに、いろいろとあったじゃない、正直に俺に申し立てたように」
春日先生の名医ぶりが彷彿とするエピソードです。

診察室を訪れる様々な患者さんたちとのやりとりや、
人間の危うさ脆さ、そんなこんなが文学と付かず離れず語られていきます。
文芸作品には物語装置としてトラウマを感じている人物が登場します。
「昔の純文学って、前頭葉落っことしちゃったような描写が多いよね」

おかしい人を書くためにも、自分がおかしいほうがいい？
ルサンチマンは想像力の源？
お酒を飲んだりして創造的退行を試みるのは？

震災以降、心が揺れて傷んで、予定通りに短篇が書けなかったという平山さん。
「イタまったの？」
「はい、チャーハンなみです」
文芸とトラウマ、後半に期待しましょう。


■平山夢明の「ヤリボンこきまSHOW!」は、毎月第2金曜・第3金曜に配信します。
次回の春日武彦（下）は、第3金曜です。どうぞおたのしみに！

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