チョココロネ政談

ギャグセンス全開の“トワイライトゾーン”噺！　（落語随談付き）

【あらすじ】
チョココロネは、ご存じ、中にチョコが入ったねじりん棒のパン。大学生の西川口君、友人の堀ノ内君がくれたチョココロネを細いほうから食べようとすると、堀ノ内君に太いほうから食べるのが常識だと言われます。でも西川口君は細いほうから食べたい。両者は激しく対立し、とうとう堀ノ内君は西川口君に絶交を言い渡して去っていきました。そこへやってきたのが西川口君の婚約者。かくかくしかじかと話すと彼女は怒っていきなり婚約破棄。さらに街の人々からも非国民呼ばわりされ、パトカーまで来る始末。何がなんだかわからない西川口君、気がつくと後ろ手に縛られ、南町奉行所のお白洲でチョココロネを細いほうから食べた罪で大岡越前守様のお裁きを受けていました。強情に罪を認めずにいると、拷問にかけられ、人質の家族まであの世行き。自分のせいだと嘆き悲しんでいるところを堀ノ内君に起こされました。どうやら講義中に居眠りをしていたようです。「夢か…」と胸を撫で下ろす西川口君。ところが……。

【聴きどころ】
「トワイライトゾーン」や「世にも奇妙な物語」を観ているようなシュールでミステリアスな一編。主人公西川口君にシリアスな出来事が次々とサスペンスタッチで振りかかってくるので、ぐいぐいと引き込まれていきます。作品の結構もよく練りこまれ、“不屈の名作”“嘴が青い”などの計算された言い間違いやマニアックなギャグセンスあふれる会話は退屈することがありません。

【もうひと言】
「大工調べ」「たがや」の啖呵がギャグとして挿入されたり、まくらでは外国人たちの前で「初天神」「動物園」「時そば」を一緒にして10分間で話したというエピソードがあったりなど、古典好きにも十分楽しめる作品です。

〔収録：2007年6月28日　東京・お江戸日本橋亭〕

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