古典落語

黄金餅

価格：￥733

収録時間 :: 25:50
データ形式 :: MP3
データ容量 :: 23.6MB

提供元 :: 財団法人NHKサービスセンター
リリース日 :: 07年7月10日
カテゴリ :: 古典落語

ブラックな話を笑いで聞かせる芸の力

【あらすじ】
長屋に住む坊さんの西念、体の具合が悪いのに根っからの吝嗇で医者にもかからず薬も飲まずに病をこじらせた。隣の金兵衛が見舞いにあんころ餅を買ってきてやると「人に見られていては食べられない」。変なことを言うなと壁の穴からのぞいていると、胴巻きにため込んだ一分銀、二分銀を餅に包んで飲み込み始め、そのまま往生してしまった。驚いた金兵衛、腹の中のお金を独り占めしようと一計を案じ、長屋の連中を連れて自分の旦那寺で葬式を行うと、西念を入れた桶を真夜中に一人で焼き場へと担ぎ込み、焼けた遺骸からまんまと金を手に入れた。

【聴きどころ】
死体からお金を取り出して盗むという陰惨な話を、ドライに聞かせてくれるのは、さすが志ん生ならでは。長屋から寺までの長い道中を紹介するたくさんの地名のリズムに引き込まれ、貧乏寺の生臭坊主があげるでたらめのお経や、焼き場での骨上げのやり取りに安心して笑えます。長屋からお寺、焼き場までと舞台が大きく動くダイナミズムもこの話の特徴。

【もうひと言】
現在、港区に麻布絶江（ぜっこう）坂があって付近にはお寺も多く、噺の舞台を想像できます。弔いの道のりは東京山手線を半周するくらいの範囲にあって、ここで語られる時間配分で歩き通すのはたいへんそうですが、地図を片手に歩いてみるのも一興では。

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プロフィール

五代目古今亭志ん生

落語家

1907年、橘家円喬に入門、10年に2代目三遊亭小円朝門下で朝太と名乗り、16年ごろ、三遊亭円菊の名で二ツ目に昇進、馬生門に移って24年に金原亭馬きんで真打ちに昇進した。その後、講釈師・3代目芦州門下に入るが、落語に戻って柳家三語楼門下となり、34年に7代目金原亭馬生を経て、39年に5代目古今亭志ん生を襲名した。持ちネタは「火焔太鼓」「らくだ」「三枚起請」「唐茄子屋政談」など豊富。壮年期までの貧乏生活経験が生んだ軽妙洒脱さと、生来の鋭い美意識が合わさった天衣無縫の芸風で絶大な人気を誇り、現在でも最も多く音源が発売されている、落語家の代名詞的存在。57年～63年まで落語協会会長。61年に脳出血で倒れ、68年以降は高座に出なかった。著書に自伝『なめくじ艦隊』『びんぼう自慢』がある。長男は10代目金原亭馬生（1928～82）、次男は古今亭志ん朝（1938～2001）。
本名・美濃部孝蔵。1890年、東京生まれ。1973年没、享年83。

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