古典落語

締め込み

価格：￥733

収録時間 :: 39:22
データ形式 :: MP3
データ容量 :: 36.0MB

提供元 :: 株式会社ラジオカフェ
リリース日 :: 07年12月7日
カテゴリ :: 古典落語

よく知っているねえ。ところであんた誰？（落語随談付き）

【あらすじ】
ある長屋に入りこんだ泥棒が、盗んだ着物を風呂敷に包んで逃げようとしたその時、その家のあるじ、職人の八五郎が帰って来ます。あわてた泥棒は風呂敷包みを放り出して台所の床下にもぐりこみ、糠味噌桶の横に隠れて様子をうかがうことにしました。八五郎はそこに置いてある大きな包みに気づき、開けてみるとその中に自分や女房の着物が入っているではありませんか。八五郎は女房が男をつくって駆け落ちをするものと早合点、怒り心頭に発しているところに何も知らない女房のお福が帰ってきます。八五郎は女房を「男ができたんだろう」と責めたて、「離縁するから出ていけ！」という騒ぎ。逆上した八五郎がお福に投げつけたやかんの煮え湯が、床下にこぼれてしまいましたから泥棒は堪りません。

【聞きどころ】
泥棒のとりなしのおかげで夫婦は仲直りできました。落語に出てくる泥棒に本当の悪人はいないようですが、それにしても夫婦喧嘩もどこかやさしく聞こえる、市馬師匠の温和な語り口がこの噺にぴったりです。

【もうひと言】
もとになっている話は享和年間の笑話本『新撰勧進話』中の「末しら浪」ですが、風呂敷包みが狂言廻しになって噺がふくらむのは、明治になってから、三代目小さんあたりからのようです。上方では「盗人のあいさつ」という題名。

[収録：2007年11月9日　コア石響（東京・四谷）]

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プロフィール

柳亭市馬

落語家

1961年生まれ、大分県緒方町出身。小学時代からの落語好きで高校時代に落語家を志す。1980年、柳家小さんに入門、小幸を名乗る。81年、「さん好」で二ツ目。93年、真打ちに昇進、4代目柳亭市馬を襲名。96年、国立劇場花形演芸大賞受賞。古典に取り組み、正統派の落語家として高い評価を得る、小さん最後の内弟子。ネタに関する由来やこぼれ話などに詳しく、落語関連の「雑学王」と呼ばれるほど。また、持ち前の美声で相撲甚句などを噺に入れる事も多い。本名は右藤泰幸。出囃子は「吾妻八景」。