古典落語
黄金の大黒
価格:¥367
清く、貧しく、いじらしく
【あらすじ】
とある貧乏長屋。大家がみんなを呼んでいると知って、たまっている店賃(たなちん)のことに違いないと話し合います。半年分たまっているなんていうのは可愛い方で、親父の代から払っていない、ひどいのになると店賃を知らない者すらいる始末。そこに事情を探りにいった六が帰ってきます。じつは大家の息子と長屋の子供衆が裏の普請場で遊んでいる時に大家の息子が砂場から黄金の大黒を見つけた、これはなにかの吉祥に違いないと大家はたいそう喜び、長屋の連中を招待してご馳走したいそうだとわかります。喜ぶ長屋連中ですが、紋付きの羽織で口上を述べなくてはならないということが分かり、困りました。もとより貧乏人の集まり、紋付きなど持っている者はほとんどいません。それでもなんとか一枚だけ調達して、みんなで着回して順に口上を述べることになりました。
【聴きどころ】
柳家お得意の貧乏長屋もの。「店賃てなんですか?」という驚くべき発言が飛び出す相当な貧乏長屋です。なかでもちょっと抜けている、与太郎的な存在である金ちゃんが、久しぶりのご馳走にありつくために必死になって慣れない口上を述べる様子は涙ぐましいものです。貧しいけれどみんなで助け合って、楽しく日々を送っている……、三之助さんの明るいしゃべりからはそんな雰囲気が伝わってきます。
【もうひと言】
このあと、めでたくご馳走にありついた連中が大騒ぎして…という続きがあり、本来のサゲもこの大黒にちなんだおめでたいものになっています。今回の三之助さんのようにこの部分で切ることも多いようです。
[収録:2007年12月14日 コア石響(東京・四谷)]
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プロフィール
柳家三之助
1973年生まれ、千葉県銚子市出身。95年、柳家小三治に入門。前座名「小ざる」を名乗る。99年、二ツ目に昇進し「三之助」に改名。実力派揃いの小三治一門の九番目、しんがり弟子にあたる三之助もまた、骨太な古典の演じ手。インターネットや乗り物の愛好家としても有名で、現代的なバランス感覚にも定評がある。著書に「オールフライトニッポン」(風濤社)、「落語「通」検定 粋に楽しむ落語 Yahoo!インターネット検定公式テキスト」(インプレスジャパン)がある。
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試聴 | タイトル | 出演者名 | 価格 |
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黄金の大黒 |
柳家三之助 | ¥367 |
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