バリバリ女子大生

バリ島でバリバリ遊ぶ女子大生二人組

【あらすじ】
女子大の卒業旅行に仲良しの先輩とタマエちゃんはバリ島に行くことになりました。けれどもお金をあまり持っていない二人は旅行資金を作るだけでも大変です。タマエちゃんはホームレスの親方に使われて空き缶や古雑誌を拾うバイト、先輩は中国人と一緒にさくら水産で働き、何とかお金を貯めることができました。こうして念願のバリ旅行へ。その時、ふとタマエちゃんに一つ疑問が湧いてきました。この旅行の行き先を決めたのは先輩です。では、どうして先輩は卒業旅行の行き先をバリ島にしたのでしょうか？　そこで、タマエちゃんが先輩に聞いてみると、返ってきた答は「南の島ではデブがもてるから」。そう、先輩はバイト先で相撲取りに間違えられるほどのおデブさんだったのです。さて、バリ島でこの先輩の夢は叶うのでしょうか。

【聴きどころ】
この噺の聴きどころは何と言っても、谷底にある幸運の泉に先輩が日本の硬貨を惜しげもなくどんどん投げ込んでいく場面です。古典落語をよく御存知の方ならすぐにお分かりの通り、これは『愛宕山』の小判を放り投げる場面のパロディです。元ネタの『愛宕山』では幇間の一八は小判を持って帰るのに失敗しますが、この噺で硬貨を拾いに行くムサディの運命は……。

【もうひと言】
この噺の中で白鳥師が触れている「さくら水産」は東京の噺家さんにとってメッカ（？）のような場所です。とりわけ、白鳥師の語る南新宿支店は新宿で落語会が行われた後、必ずそこへ行けば噺家さんがいるという東京の隠れスポットの一つとも言われています。

[収録：2009年2月28日　無限落語＠お江戸日本橋亭（東京・三越前）]

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