レビュー一覧

小田嶋さんによると、稲垣さんの試みがテレビで紹介された時のtwitterは大荒れだったらしい。
ご著書に対するレビューも辛辣な意見があふれている。「金持ちの道楽」「自己満足」であると。
ミニマリズムや禅が注目されている一方で、なぜ究極の清貧生活を送る稲垣さんは反感を買うのだろう。
それは、今流行しているミニマリズムや禅は、消費文化の延長だからではないか。
「持たない暮らし」は「買って、捨てる生活」であり、「禅に親しむ」は「禅カフェや瞑想教室へ通うこと」の言い換えに思える。
だからこそ、真の意味で消費文化を揺るがす稲垣さんの実践は攻撃されるのかもしれない。

さて、このコンテンツであるが、大変に楽しめた。
稲垣さんに対する胡散臭さを隠さない平川さんと、相手を警戒しながらも軽妙に語る稲垣さん。
ここまでデコボコで率直で生々しい対談は稀である。
二人の距離感やぎこちない感じが伝わってきてなんとも可笑しい。たまらない。
あえてこの二人で、第二弾もやってほしいと思っている。
わがままを言わせてもらえば、年に数回、世間話を交えて現代社会における詐欺的構造について語って欲しい。

私は、この「詐欺化するビジネス」話に興味を持ったので、お二人のご著書を買って拝読しました。
お二人に自覚はないかもしれませんが、そういう話をしてくれる元ビジネスマンや実践家って、あまりいないんすよ。