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金曜の夜はラジオデイズ落語会~三遊亭遊雀・古今亭菊之丞
07年10月14日
六回目を迎えたラジオデイズ落語会は、三遊亭遊雀、古今亭菊之丞が登場。開口一番は入船亭遊一さん。ネタは「たらちね」。独身の八五郎に家主が嫁を連れてくる。歳は十九で器量よし、唯一の欠点はお屋敷勤めで言葉が丁寧すぎること。遊一さん演じる新妻の上品な語り口と江戸っ子八五郎のがさつな言動の対比で笑わせてくれました。
さて先手は遊雀師匠、ネタは「初天神」。こちらは今も昔も変わらない父と子の対決。初天神に出かけようとする熊五郎、何故か息子の金坊が帰って来て連れて行けとせがむ。何でも買ってくれと言わないとの約束で渋々連れて行くが、早速金坊のお強請り作戦が始まる。さして面白くないお正月の定番噺だが、遊雀師匠の図抜けた金坊が抱腹絶倒の噺に変えた。古典落語は演者次第でどうにでも面白くなるのです。
続く菊之丞師匠、ネタは「幾世餅」。古今亭志ん生がよくやった有名な噺。搗き米屋の職人清蔵は今を時めく吉原の花魁、幾世太夫の浮世絵を見て一目惚れ、恋煩いで寝込んでしまう。わけを知った主人が一年間一所懸命に働いたら逢わせてやると諭すと、人が変わったように働く。やがて一年、貯めた金に主人が足してくれた十五両を持ち道楽者の医者に連れられて吉原へ。運良く一夜の逢瀬を楽しむが…。江戸時代に流行った幾世餅の由来という今で言えばドラマ仕立てのCMなのだが、職人たちの夢が上質の人情噺に磨かれるところが古典落語の魅力。女形のように様子の良い菊之丞師匠ならではの噺に仕上がりました。
お仲入りの後も菊之丞師匠が登場。ネタは「紙入れ」。小間物屋の新吉は得意先の奥方といい仲。ある日旦那が遠出で泊まりの留守だと呼び出され、お床入りしかけたところに旦那が帰ってくる。慌てた新吉、奥方に逃がしてもらうが、旦那からもらった紙入れを置き忘れたのに気付く。翌朝逃げようと思ったが恐る恐るお店を訪ねると…。したたかな奥方と小心者の新吉、人がいいが察しの悪い旦那との三人のやりとりで笑わせる滑稽噺。菊之丞師匠にピッタリのネタだと思いました。
トリはもちりん遊雀師匠。ネタは古典の定番「寝床」。人はいいが義太夫好きが人迷惑な旦那、今日もご馳走を用意して義太夫の会を催す。番頭に長屋を回らして客集めに行かせるが、ああだこうだと理由を付けて誰も来ない。店の者も病気や外出で誰も聴けないという。ヘソを曲げた旦那、そんな不義理な者たちに家は貸せない出て行け、店の者には暇を出すと言ってこいとお冠。困った番頭は大番頭に相談、皆を呼び出して旦那をその気にさせて会を開くが…。現代にもカラオケやゴルフで迷惑をまき散らす大社長は多いが、芸事にはまると自己中が昂じるのは古今東西の理。遊雀師匠は、だだっ子や人はいいが何かに取り憑かれるとおかしくなる人物を演じると、抜群の人物描写で面白力を発揮する。古典落語って、こんなに面白かったのかと再認識させていただいた夜ではありやした。発売が待ち遠しいって? それは出てのお楽しみに。
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