飽食の城

戦国時代に現れたヘンゼルとグレーテルのお菓子の城？（解説付き）

【あらすじ】
天正十年の戦国時代、羽柴筑前守秀吉は天下統一を目指す中、西国のある城を攻略しようとしていました。難攻不落を誇っていた城の殿様も、味方はことごとく討ち死にし、もはや打つ手がありません。とうとう城は取り囲まれ、秀吉得意の兵糧攻めにあってしまいます。もはや絶体絶命かと思いきや、家来の武将がいうには兵糧攻めに備えて城を改良してあるとのこと。喜んだ殿様が確かめると、なんと床は南蛮渡来のカステラ、壁はグリコのキャラメル、瓦は煎餅、柱はカロリーメイト…お城はお菓子でできていたのです。一年が経過して、なかなか城が落ちないので不審に思った秀吉は一気に攻め入ろうとしますが…。

【聴きどころ】
羽柴秀吉、黒田官兵衛、魚鱗の陣、鶴翼の陣など本格戦記物の意匠やこなれた武家言葉を駆使しながら空想的で荒唐無稽な世界を作り上げていく手腕はさすがです。眼目でもあるお菓子の固有名詞の連発部分で笑いは最高潮に達します。

【もうひと言】
六代目古今亭今輔の大名跡を継ぐことがまくらで語られますが、ひょうひょうとした語りの中にも今後の錦之輔さんの意気込みのほどが伝わってくるようです。

[収録：2008年3月14日　お江戸日本橋亭（東京・三越前）]

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