帰る世界～節談説教

節談説教が語る南無阿弥陀仏の意味とは

【あらすじ】
若い人だけでなくお年を召した人でも、南無阿弥陀仏の本当の意味を理解している人は意外に少なく、まじないか呪文のたぐいだと思っている人もいるのではないでしょうか。そんな人たちに向けて、南無阿弥陀仏の南無とは「帰る」ことだと藤野宗城師は説明します。そして、人間は皆例外なく帰って行くのだと言います。では、私たちはどこへ帰って行くのでしょうか。私たちは時に旅に出ます。しかし、いつかは家に帰ります。そして住み慣れた家に帰りついた時、やはり家が一番いいと思います。それは家が帰る場所だからです。帰るというのは、元の場所へ戻るということです。ではこの世に生きる私たちの元の場所とはどこなのか。それは仏様のところだと宗城師は言います。私たちの命は仏様に頂いた。だから、いつかまたその仏様のところへ帰らせて頂くのだ、と。

【聴きどころ】
この説教の中で宗城師のお知り合いが肝臓癌で亡くなった時の逸話が紹介されています。その人は臨終の間際にこう言って亡くなりました。「死にとうないわ。死にとうないわ。死にとうないわ。死にとうないけれども、死にとうないまんま参らして貰うんやな。頂いた命の故郷へ帰らせてもらうんやな。浄土真宗でよかった。ナンマンダブツでよかった。親鸞様にお出会いさせて貰ってよかった。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏」

【もうひと言】
宗城師はこの説教の中でたびたび「キミョウ」という言葉をおっしゃいます。浄土真宗に縁のない人であれば「奇妙」のことかと思いがちですが、これは正信偈の冒頭の「帰命無量寿如来、南無不可思議光」の帰命のことです。南無が「帰る」であり、それを帰命と言い、無量寿如来とは阿弥陀仏のこと。つまり、帰命無量寿如来とは南無阿弥陀仏のことであり、それは宗城師がおっしゃるように、元の場所へ戻ることなのです。

[収録：2009年4月11日　築地本願寺（東京）節談説教を聴聞する会]

《携帯電話・スマートフォン（iPhone、Xperia等）、通信機能内蔵タブレット（iPad、GALAPAGOS等）、通信機能内蔵音楽プレーヤー（iPodTouch等）等へは「ダウンロード及び保存」はできません。お手数ですがパソコンでダウンロード後、お手持ちのデバイスへ同期頂き、お楽しみください。》