某私鉄駅長会議

祐天寺駅の大逆襲!?

【あらすじ】
年に一度、東急の駅長が一堂に会して、明日の東急のために意見を交わし合う、それが東急駅長会議です。司会進行は［渋谷］駅長。自慢げに駅の発展について語る［渋谷］駅長ですが、しかしほかの駅長の発言には少々愚痴が混じっているようです。［池尻大橋］いわく「駅名が変だ」。すぐに［都立大学］が同調します。「都立大学なんてとっくにないじゃないか」。駅名の問題で会議は少々荒れ気味の展開に。しかしそんなものはまだ序の口でした。ついに［祐天寺］が重い口を開き、東急線の運行の根幹に関わる大問題を提起したのでした。続いて行われた投票では、ついに東急全線が、弱小駅の下克上ともいえる事態に巻き込まれてしまうのでした。

【聴きどころ】
実験落語メンバーで随一の「東京度数」を誇るという清麿師は、何を隠そう東京都渋谷区出身。それゆえなのか、登場してくる沿線の風景は、たとえば池尻大橋駅長が語る旧玉川線の描写のように、現在の姿のみならず、師が見てきた過去の風景とも重なって、リアルな息づかいを感じます。また、渋谷はもちろん学芸大学、二子新地など、東急線の駅名があれこれ登場する展開に、鉄道マニアならずとも、それだけでにんまりする向きも多いはず。もちろん首都圏にお住まいでない方も、どこの路線にもありがちな問題が次々と現れる一席ですから、間違いなくお楽しみいただけます。

【もうひと言】
東急線の中でも、噺の主な舞台となる東横線は［渋谷］から［自由が丘］［田園調布］を経て［横浜］へと向かう、東急の看板路線のひとつです。東急沿線にあまりなじみのない方は、路線図をご用意いただければ、［祐天寺］の悲哀がぐっと身近に迫ってくることでしょう。

[収録：2009年8月29日　お江戸日本橋亭（東京・三越前）]

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