手足

円丈門の若足が長手の進歩！

【あらすじ】
町の整骨院。若い男が手首を持ち上げながら「先生、足首見てください～」とやって来ます。男は手を怪我しているのですが、どういうわけか「手」と「足」を逆に言ってしまうのでした。名前を尋ねると「手立区の足塚です」。足立区の手塚と本人は言っているつもりなのです。「ぼくの彼女は足料理が得意で…」ややこしいことこの上ありません。今回整骨院に来たのも「手立に乗っかって荷物をとろうとしたら手をすべらせて…」。はたして先生はちゃんと診察できるのでしょうか。

【聴きどころ】
ゆる～い雰囲気が魅力の天どんさんの、自作の新作落語です。言葉で遊ぶネタで楽しいのですが、噺の設定が設定だけに、古典の「しの字嫌い」などと同じく、言い間違えたら、もうアウト。演者は大変です。聞き手もハラハラさせられます。そもそもどこに行き着くのか、だんだんと観客のほうが心配になってくるのが、新作落語のダイゴミです。

【もうひと言】
興味深いのは、「きゃたつ・脚立」は漢字で書くと、「足立」ではないと先生から指摘されたとたん、男が「きゃたつ」と言えるようになること。表意文字としての漢字と音のなかなか深遠な問題に触れているかもしれません。

[収録：2009年9月15日　お江戸日本橋亭（東京・三越前）]

《携帯電話・スマートフォン（iPhone、Xperia等）、通信機能内蔵タブレット（iPad、GALAPAGOS等）、通信機能内蔵音楽プレーヤー（iPodTouch等）等へは「ダウンロード及び保存」はできません。お手数ですがパソコンでダウンロード後、お手持ちのデバイスへ同期頂き、お楽しみください。》