がまの油

師匠ならではのナンセンスギャグ満載

【あらすじ】
「さーて、お立ち会い！」から始まる口上で刀で紙を切り刻むパフォーマンスとともに、怪しげな膏薬を売りさばく大道芸「蝦蟇の油売り」。最初は繁盛しましたが、一杯やってから、もう一儲け、と欲をかいたのがいけません。酔っぱらって、口上はしどろもどろ、手元も危なっかしくなっていき、腕からちょこっと血を出してみせるはずが、だんだんとひどいことになります。

【聴きどころ】
酔っぱらったがまの油売りは口が軽くなってお客さんにからんだり、始末に負えません。原作はのんびりした趣がある噺ですが、談笑師匠のきわどいナンセンスギャグが、てんこもりに連射されます。なんといっても聞き逃せないのは、噺の間にはさまれたスペイン語版「蝦蟇の油」の口上。新大久保の路上では、中南米のお姉さんたちの山ができたという伝説の口上だ、さあお立ち会い。「オーラ、オーラ！」

【もうひと言】
もともとは「両国八景」という噺の後半が独立したもので、前半が独立したものが先代金馬が得意とした「居酒屋」だといわれています。ひからびたガマ蛙を台の上に乗せ、膏薬が入った容器を手に、刀を差して、白袴に鉢巻、タスキ掛け、幟を立てた姿はものものしく、昔は縁日の風物詩でした。

[収録：2009年10月23日　牛込箪笥区民ホール（東京・神楽坂）]

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