浮世床

半ちゃんは本当にもてたのか？

【あらすじ】
昔の床屋（髪結床）では、将棋盤や本が置いてあって、順番を待つ男たちがごろごろと退屈しのぎをしています。皆でたわいのないことを喋っていますが、そのなかで、ひとりぐっすり寝込んでいるのは半公です。場所をとってしょうがないので無理やり起こすと、「最近寝不足だから、寝かしておくれ」という返事。わけを聞いてみると、実は芝居小屋でオツな年増女と知り合ったと……色っぽい話が始まります。意気投合した女と茶屋で差し向かいになって、盃のやりとり。そして次の間には寝床の用意が……。あまりに都合がよすぎるような話です。

【聞きどころ】
床屋で爆睡。おまけに食い意地が張っていて、とても色男とは思えない半公が、意外にもノロケ話を披露。まわりの男たちは色めきだちます。この半公のエロティックな告白がだんだんと盛り上がっていくところは噺家の腕の見せどころ。菊之丞師匠の持ち味でもある、粋な女性の語り口とテンポの良さが冴えます。

【もうひとこと】
客の畳屋が…云々のサゲが原型ですが、内容には無筆の本読み、デタラメ将棋指しなどいろんなパターンがあります。全編笑いがつまっているので、どこで落とされても、違和感がありません。昔は、男は髭や月代（さかやき）を定期的に剃って、髷を結い上げなければなりません。床屋は町内の寄合場所となっていました。式亭三馬の滑稽本「浮世床」（文化9）が原型と思われる古い噺ですが、由来は上方のようです。

［収録：2010年2月27日フジテレビ目玉名人会　フジテレビ内マルチシアター（東京・台場）］

《携帯電話・スマートフォン（iPhone、Xperia等）、通信機能内蔵タブレット（iPad、GALAPAGOS等）、通信機能内蔵音楽プレーヤー（iPodTouch等）等へは「ダウンロード及び保存」はできません。お手数ですがパソコンでダウンロード後、お手持ちのデバイスへ同期頂き、お楽しみください。》