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ラジオの街のブックレビュー

vol.3 小田嶋隆・古屋美登里【 マークトゥエイン『人間とは何か』を読む】

小田嶋隆(コラムニスト) 古屋美登里(翻訳家)

価格:¥471

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vol.3 小田嶋隆・古屋美登里【 マークト…

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vol.3 小田嶋隆・古屋美登里【 マークト…

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ネットも映像もよいけれど、ゆったりと書物の扉をひらいて
自分のペースで読みすすめていく時間はなにものにも代えがたい。
このシリーズでは、さまざまな読み巧者がふたり向き合って、
出会いも含めた「この本!」について、深くじっくり語り合います。
月に1~2回のペースでリリースしていきますので、
どうぞよろしくおつきあいください。


第3回目は〈アメリカ文学の父〉と呼ばれるマーク・トウェイン最晩年の作品
『人間とはなにか』を、同じ頃の未完の作品『不思議な少年』を参照しながら
小田嶋隆さんと古屋美登里さんが語り合いました。
お二人は青春時代に知り合い、今でも家族ぐるみで親しくお付き合いされて
いることもあり、遠慮のない知的な応酬が聴きどころでもあります。

「人間はただの自動機械に過ぎない」という厭世的な老人と、それを論破できない若者の問答からなる作品は、体裁はあたかもギリシアの哲学書のようです。

子供時代から今に至るまで、トム・ソーヤーやハックルベリー・フィンを
愛してやまない小田嶋さん、このトウェインの晩年の変貌ぶりに首を捻ります。
「なにがあったのか。ペシミズムが人間を蝕むことの痛ましさが……」

描写とディティールを読む快楽を語り、アメリカ文学への深い造詣から
繰り出される古屋さんのトークも冴えわたりますが、
小田嶋さんから読書家であることをなじられる?古屋さんの応戦も楽しい。
「隆くんはね、15歳と7カ月くらいの少年なのよね」



【vol.3の本】

 ■マーク・トウェイン
  『人間とは何か』(中野好夫訳/岩波文庫 1973年6月-)
  『不思議な少年』(中野好夫訳/岩波文庫 改版 1999年12月-)
『トウェイン完訳コレクション 不思議な少年44号』
   (大久保博訳/角川文庫 2010年8月-)  


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小田嶋隆(おだじまたかし)

コラムニスト

1956年、東京都北区赤羽生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、味の素ゼネラルフーヅに入社したが数ヶ月で退社。その後小学校事務員見習い、ラジオ局AD、ロックバンド座付き作詞家、テクニカルライターなどの職を転々とする。
88年、コラム集『我が心はICにあらず』で人気を博してから、コンピュータ、テレビ、サッカーから学歴社会、憲法9条、資本主義まで、大小の事象に対し独自の極辛批評を展開。
現代社会への意地悪な視点と容赦ない分析力、それを爆笑とともに表現する圧倒的筆力で幅広い層の支持を集めている。
著書に『小田嶋隆のコラム道』(ミシマ社)、『地雷を踏む勇気』『もっと地雷を踏む勇気』(共に技術評論社)、『その「正義」があぶない。』『場末の文体論』『超・反知性主義入門』(共に日経BP社)、『友だちリクエストの返事が来ない午後』(太田出版)、『ポエムに万歳! 』(新潮文庫)、『「踊り場」日本論』(岡田憲治との共著、晶文社)『ザ、コラム』(晶文社)『上を向いてアルコール』(ミシマ社)などがある。


   

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古屋美登里(ふるやみどり)

翻訳家

神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。翻訳家、エッセイスト、明治大学講師。20歳から翻訳を始め、コンピュータからビジネス書、ノンフィクション、文学と、あらゆるジャンルの翻訳を手掛ける。言葉にたいする並々ならぬ情熱をもって取り組まれた翻訳は、膨大な読書量に裏打ちされ、十分に咀嚼された日本語になり、読者に原文のエッセンスを伝えるので定評がある。
敬愛する作家・故倉橋由美子作品の復刊推進委員会会長を名乗り、失われてはならない倉橋作品の普及に尽力している。
主な訳書: ダニエル・タメット『天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界』(講談社)、『夫の愛した恋人たち』『望楼館追想』(文春文庫)、『静かなアリス』『ぼくには数字が風景に見える』(講談社)、『日曜日の空は』『観光』『セックスとニューヨーク』(早川書房)ほか多数

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