仮面ライダーのゆうつ

平成の仮面ライダーの敵はだれ?　（解説付き）

【あらすじ】
初代「仮面ライダー」のテレビ放映最終回から早18年。仕事がない本郷猛は家賃も払えない状態でした。彼は熱く燃えていた自分をなんとか取り戻したいと願い、ショッカーを探し出せばまた番組が復活するのではないかと新宿まで出かけるのですが、なかなかショッカーは見つかりません。探し疲れてふと路地裏のラーメン屋に入ると、「イラッシャーイィーッ」と妙に甲高い声。本郷は不審に思いますが、店の親父の声は聞けば聞くほどショッカーが発する奇声にそっくりです。よく見れば目と鼻と口のまわりにマスクを被っていたような日焼けの跡もある。「キミはショッカーの隊員だったな？」「イィーッ」「やっと見つけたぞ」。本郷は嬉々として仮面ライダーに変身しようとしますが、相手は乗ってきません。聞くと、彼らはもはや地球征服をあきらめて更生し、仲間たちとラーメン屋を始めたとのこと。さらに本郷にまじめに働かなくちゃ駄目だと言い聞かせ、ハローワークに行けと勧めます。すっかり意気消沈した本郷は言われた通りハローワークに行くのですが、そこにはあのウルトラマンが来ていたのでした。

【聴きどころ】
うらぶれた本郷猛と元ショッカー隊員の親父との会話がおかしく、ひとつひとつ笑わされもするのですが、どこか身につまされる哀感もあります。本郷がハローワークを出たあたりから特撮映画のような息詰まるシーンが展開しますが、仮面ライダーとウルトラマンが対決するエンディングは聴く者に深い余韻を残すでしょう。

【もうひと言】
しん平師はまくらで、映画「三丁目の夕日」にあるような昭和30年代の体験や、今から見れば突っ込みどころの多いテレビ「月光仮面」などをネタに笑いをとっていますが、本編と同じように何かしら心に訴えてくる哀切もあるようです。

〔収録：2007年7月4日　東京・お江戸日本橋亭〕

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