渡辺祐真／スケザネの「現代文学」から考える「世界」と「言葉」～作品の読み方から感想の書き方まで～　第一回（セット）

第一回　佐藤厚志『荒地の家族』を読む

書評家・スケザネさんによる新講座がスタート！
著書『物語のカギ』（笠間書院、2022年）では「物語」を読む楽しみ、そのためのキーワードを幅広い層に向けて書き、現在、毎日新聞文芸時評や
TBSラジオ「こねくと」のレギュラーも担当されているスケザネさん。
この講座では、今まさに生まれている小説や詩歌を毎回一つ取り上げ、スケザネさんによる丁寧な読解の提示、またその作品の感想を書く、相手に伝えるときのカギを教えていただきます！
第一回目に取り上げる作品は、第168回（2023年上半期）の芥川賞を受賞した、佐藤厚志さんの『荒地の家族』。
仙台の書店員として勤務しながら、作家として活動する佐藤さん。デビュー以来、一貫して東北を描いています。『荒地の家族』でも震災は重要なテーマとして現れますが、同時に震災以外にも大切なことがたくさん描かれています。そうした様々な側面を総合的に読んでいきます。

・出来事は客観的に記述できるのか
・書評の一歩目
・作品の言葉ひとつひとつを追いかけること
・作品を自分の言葉で受け止めて再現すること
・佐藤厚志『荒地の家族』の概要
・『荒地の家族』は震災文学と言えるのか
・震災を正面から描かないことが肝になっている
・震災を様々な苦しみと並置するように描く
・遍在する記憶のトリガー
・感情や記憶は向こうからやってくる
・心霊現象とカタストロフィー
・書くことと記憶について
・『荒地の家族』の描写の特徴
・言葉に蓋をし、肉体に負荷をかける
・書評と解説の違いはどのような点か

【講座に登場した書籍・文章】
・佐藤厚志『荒地の家族』（新潮社、2023年）
・スケザネ「寄せ続ける記憶の波に抗して～佐藤厚志『荒地の家族』書評～」『すばる』2023年3月号（集英社）
・佐藤厚志『象の皮膚』（新潮社、2021年）
・岡真理『記憶／物語』（岩波書店、2000年）

※ 本音源は2023年3月4日に収録したものを編集しております。
※ 付属のPDFは音源と併せてご覧ください。

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