渡辺祐真／スケザネの「現代文学」から考える「世界」と「言葉」～作品の読み方から感想の書き方まで～　第四回（セット）

村上春樹『街とその不確かな壁』 を読む

書評家・スケザネさんによる書評講座！
著書『物語のカギ』（笠間書院、2022年）では「物語」を読む楽しみ、そのためのキーワードを幅広い層に向けて書き、現在、毎日新聞文芸時評やTBSラジオ「こねくと」のレギュラーも担当されているスケザネさん。
この講座では、今まさに生まれている小説や詩歌を毎回一つ取り上げ、スケザネさんによる丁寧な読解の提示、またその作品の感想を書く、相手に伝えるときのカギを教えていただきます！
第四回目に取り上げる作品は、刊行発表の時点から注目を集めていた、村上春樹さんの長編『街とその不確かな壁』 です。

=講師・スケザネさんからのコメント=
　今回は、話題の村上春樹氏による新作『街とその不確かな壁』 を扱います。
　1980年、文芸誌に「街と、その不確かな壁」 を発表したものの、単行本化されることはありませんでした。
　そしてそれから約40年の年を経て、この度（ほぼ） 同名の長編小説が刊行。 過去の春樹作品の要素もたっぷり盛り込みつつ、 更なるアップデートや新しさが施された本作について、 1980年バージョンも参照にしながら、徹底的に読みます。

・これまでの村上春樹作品と『街とその不確かな壁』の違い
・村上春樹における「1968年」の重要性
・二つの異なる世界やテーマを並走させる
・幻と呼ばれている文學界版「街と、その不確かな壁」、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を経て新たに書かれた『街とその不確かな壁』
・言葉への疑義を露わにしていた文學界版「街と、その不確かな壁」
・村上作品を読むときの心構え：作品内容とメタファーを一旦区分けして読む
・『街とその不確かな壁』の作品構造
・村上作品の特徴的な構造：「シーク アンド ファインド」
・相反するもの（彼岸／此岸、現実／夢、生／死……）の相互浸透

などなど

※ 本音源は2023年6月10日に収録したものを編集しております。
※付属のPDFは音源と併せてご覧ください。

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