光嶋裕介×青木真兵「つくる人になるための生き方」

「つくること」を問い直し、考え直す

建築する日々に励みながら、旅先でのスケッチや執筆活動にも精をだす若き建築家・光嶋裕介さんと、奈良の山村に私設図書館をつくり、執筆や自主ラジオなど様々な形でメッセージを発信する若き思想家・青木真兵さんが、些細な日常の出来事や思索をつぶさにみつめて綴った往復書簡『つくる人になるために　若き建築家と思想家の往復書簡』（灯光舎）を出版されました。
今回はその出版を記念したお二人による特別対談です！

私たちにとって「つくる」とはなにかを問いかけ、つくる喜びについて対話を重ねながら、生き物として生きやすい社会を模索していく。
書簡をとおした対話のトピックスはまさに縦横無尽。働くことやお金のこと、ふたつの原理の往還、外と内の自然、そして建築や本の話まで広がっていきます。
ふたりの対話をじっくり観察すると、前提を問い直すこと、自ら思考し行動することは、何かを「つくる」ことへのきっかけにつながるのではないかと感じます。

互いのちょっとした違いを認め合い、相手の言葉を受け止め、内省し、さらに言葉を紡いでいく二人の姿勢は、私たちの日々の生活や思考へのささやかな刺激となり、生き物として少しでも生きやすい社会をつくるヒントになるかもしれません。
ぜひお聞きください！

・風景の中に人間が関与し、介入していくことと「つくる」こと
・「万葉集」の時代に作者が生まれ、さらに主体や権利へと発展した
・二年にわたる往復書簡はひとつのテーマや結論に向かっていくものではなかった
・自己変容していくプロセス、シュート、パスが、突き詰めると「つくる」ことなのではないか
・不平等や抑圧に対して「声を発する」こと、よりフェアな社会をつくることが「つくる」ということ
・西洋と日本における建築家の立ち位置の違い
・自分の価値観を絶対視しないという意味で「靴を脱ぐ」ということが大事
・建築における開口部や窓、その先に何が見えるかはとても重要なもの
・言葉が持つ拡張性をパスによって豊かにしていく
・そこにしかいないという意味の「土着」とどこにでもいれるという意味の「土着」
・光嶋さんが選ぶ「つくる」にまつわる一冊：ティム・インゴルド『ラインズ』
・青木さんが選ぶ「つくる」にまつわる一冊：デヴィッド・グレーバー『民主主義の非西洋起源について：「あいだ」の空間の民主主義』

【質疑応答】
・ユダヤ人がアメリカに行ったことでヨーロッパの建築が遅れたということはあったのか
・サイレントマジョリティーに「つくる」ことをどう伝えればいいのか

などなど

※本音源は2023年8月11日に収録したものを編集しております。

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