渡辺祐真／スケザネの「現代文学」から考える「世界」と「言葉」～作品の読み方から感想の書き方まで～　第二回（セット）

第２回　中森明夫『TRY48』を読む

書評家・スケザネさんによる書評講座！
著書『物語のカギ』（笠間書院、2022年）では「物語」を読む楽しみ、そのためのキーワードを幅広い層に向けて書き、現在、毎日新聞文芸時評やTBSラジオ「こねくと」のレギュラーも担当されているスケザネさん。
この講座では、今まさに生まれている小説や詩歌を毎回一つ取り上げ、スケザネさんによる丁寧な読解の提示、またその作品の感想を書く、相手に伝えるときのカギを教えていただきます！
第二回目に取り上げる作品は、作家、アイドル評論家として知られる中森明夫の異色作『TRY48』です。

=講師・スケザネさんからのコメント=
　今回は、アイドル評論家で作家の中森明夫さんの新作小説『TRY48』を扱います。 詩人、劇作家などマルチに活動した寺山修司。本作は、もしも寺山修司が生きていて、 アイドルグループをプロデュースしたら……という小説です。 史実の寺山も、突然見ず知らずの民家に侵入して劇を上演したり、漫画の登場人物の葬式を開いたりと 自由な人物でしたが、そんな彼が『DEATH NOTE』や「朝まで生テレビ」、 ももいろクローバーなどと出会ったら、いったい何が起きるのか。 実験性や批評性、エンタメ性に満ちた衝撃の作品を、史実の寺山修司、作品の寺山修司など、多角的に考えていきます。

・「なにもない」という書評家の強み
・自分の感想を鮮明にするための三点測量
・多彩なキャリアを持つ作家・中森明夫
・現実と虚構をゆさぶる寺山修司
・『TRY48』のあらすじ・物語の構成
・どのように時間を動かすかがフィクションのカギ
・どのように設定や情報の説明を作品内でするかに作家の力量が表れる
・卓抜したシーン：『DEATH NOTE』の「Ｌの葬式」
・史実やパロディの組み合わせで寺山修司や当時の状況を説明する
・二項対立を突き崩す批評性
・いかに対象に向き合うか／いかに理論や切り口を手放すか

※ 本音源は2023年4月1日に収録したものを編集しております。
※付属のPDFは音源と併せてご覧ください。
※一部音声に聞きづらい点がございます。あらかじめご了承ください。

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