古典落語

中村仲蔵

価格：￥733

収録時間 :: 27:15
データ形式 :: MP3
データ容量 :: 24.9MB

提供元 :: 財団法人NHKサービスセンター
リリース日 :: 07年12月6日
カテゴリ :: 古典落語

歌舞伎史に残る役作り、人情味たっぷりの芸談

【あらすじ】
人気狂言「忠臣蔵」の上演にあたり、中村仲蔵に回って来たのは五段目の斧定九郎。ようやく名題になったのに、貧相な山賊の役を回された仲蔵は落胆する。だが女房のお岸に励まされた仲蔵は、蕎麦屋で偶然出会った貧乏侍から役作りの着想を得た。芝居の初日、度肝を抜くような新しい定九郎を見せられた観客たちは、あまりの見事さにうなるだけ。それを演技の失敗と勘違いした仲蔵は、失意のまま上方を目指す。だが途中で芝居帰りの男が仲蔵を絶賛しているのを耳にして…。

【聴きどころ】
失望、希望、葛藤。圓楽さんが感情たっぷりに演じる、仲蔵の心の動きがとにかく劇的です。世間を驚かせた奇抜な扮装や、水を滴らせながら駆け入って見得を切るシーンなど、細かな描写に錦絵を見るような華やかさがあります。亭主を励ます女房のお岸や、師匠中村伝九郎の言葉もぐっと心に響くものばかり。うれし涙で終わる、胸のすくようなサクセスストーリーです。

【もうひと言】
歌舞伎では初代に名門なしと言われますが、その例外の最たるものがこの初代中村仲蔵。この噺で描かれているようないきさつで現行スタイルの斧定九郎を初めて演じ、生涯の当たり役としました。そもそも斧定九郎は、5万3千石の大名の家老の息子という設定。落ちぶれてはいるが元々の身分の高さを巧みに表した仲蔵の役作りに、芝居好きはなるほどと思ったようです。

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プロフィール

三遊亭圓楽

落語家

1933年、東京・浅草の易行院助六寺に生まれる。1955年6代目三遊亭円生に入門し全生を名のる。58年に二ツ目、62年に5代目円楽を襲名、真打ちに昇進。67年より「笑点」大喜利コーナー初代メンバー。空前の演芸ブームといわれた当時、5代目春風亭柳朝、古今亭志ん朝、立川談志とともに「東京落語四天王」と呼ばれ、ラジオ・テレビの司会やトークでも活躍しした。78年、師匠の円生に従って落語協会を脱会し、落語三遊協会を設立。円生没後も落語協会に復帰せず、85年に私財を投じて寄席ビル「若竹」を建設するが、経営難から89年に閉鎖。2005年、27年ぶりに寄席に登場したが、同年病に倒れ、翌年には23年間務めてきた「笑点」大喜利コーナーの司会を退く。2007年2月、病後の進退をかけた国立演芸場での「芝浜」口演の出来に満足できず、「お客さまに申し訳ない」と引退を表明。1977年、芸術祭賞優秀賞（「藪入り」）ほか受賞多数。本名、吉河寛海。出囃子は「元禄花見踊り」。