春日武彦×平川克美「無意味でいいじゃないか。」2023年１月号

「悪について僕たちが思うこと。」

精神科医であり、作家でもある春日武彦さんと平川克美のシリーズ対談！
喫茶店の店主と作家でもある精神科医との日常の些細な「無意味」な出来事から、事件、災害、政変など社会や文化、文学など幅広い分野にわたる語り合い。
今回は特別版として、ゲストに作家の高橋源一郎さんをお迎えします。

テーマは「悪」について。

「天才と狂気」「幸福」など毎回テーマを設定し、深く広く、時に脱線しつつ語り合ってきた二人。
今回は『「悪」と戦う』など「悪」についての著作もある高橋源一郎をお迎えし、「悪」について語り合っていただきます。

子どもが行う可愛らしい悪戯から、大人がしてしまう取り返しのつかない犯罪まで世の中にはさまざまな「悪」といわれる事柄が存在します。
一見悪に見えなくてもシステムの中に巧妙に組み込まれた悪や、悪を悪と思わず行う悪など…「悪」はその人自身、また社会や集団的な価値基準とも結びついた判断の難しい捉えどころのない概念でもあります。
「悪」とはそもそもなんなのか？「悪」というのはそもそも本当に存在するのか？むしろ「悪」ではいけないのか？などなど、考えれば考えるほど哲学的になりわからなくなる「悪」という概念。
今回、とても抽象的なこの「悪」というものに精神科医、作家、喫茶店の店主が語り合います。

・固有名詞を思い出せない話
・「悪について」というテーマなら高橋源一郎しかいない（平川）／悪についてなら少しは知っている（高橋）
・悪について語ることは文学について語ること
・高橋源一郎が調べた「作家が書く悪の類型」
・悪についての思考実験：ル＝グウィン「オメラスから歩み去る人々」
・『「悪」と戦う』は不意打ちのようにして出来上がった作品
・細かな悪事の総決算として何か引き当てるんじゃないかという確信（春日）
・内田樹には悪がない。だから詩を読まない（平川）／詩は悪だからね（高橋）
・人をコントロールすることはものすごい悪である
・ドストエフスキーは人間の愚行を研究していた
・ここで言えないことこそが悪である
・自分自身を顕微鏡のように観察する私小説
・文学と医学は似ている？ーー特殊と普遍
・マルキ・ド・サド『ソドムの百二十日』における悪
・競馬から考える悪

などなど

喫茶店の店主と作家でもある精神科医との幅広い分野にわたる語り合いをぜひお楽しみください。

※ この番組は2023年1月12日に隣町珈琲にて収録しました。

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