ゴーゴリ「外套」2　（朗読：入船亭扇辰　翻訳：浦雅春）

人生最良の日、そして最悪の日。

【朗読】　入船亭扇辰　(落語家)
【原作】　ニコライ･ゴーゴリ　(小説家)
【翻訳】　浦雅春　(ロシア文学研究者)

【あらすじ】
ついに外套の新調を余儀なくされたアカーキー・アカーキエヴィチ。なんとかしてお金を工面しなくてはなりません。半分はヘソクリでまかなうとして、残り半分が悩みの種。しかたなく彼は徹底した倹約で乗り切ろうとします。お茶も飲まず、ロウソクも灯さず、果ては靴底がすり減らないようにつま先で歩くという倹約ぶり。涙ぐましい努力が功を奏し、ついにアカーキー・アカーキエヴィチはあたらしい外套を手に入れます。彼が外套を新調したことは役所の仲間にも知れ渡り、ついにはお披露目のパーティーまで開かれる始末。まさに人生最良のとき。しかしこのパーティーの後、アカーキー・アカーキエヴィチに思いもよらぬ悲劇が訪れるのでした。

【聴きどころ】
（1）ではおどおどと自信なさげなアカーキー・アカーキエヴィチでありましたが、外套の新調が現実のものとなるにつれ、しだいにその気弱な性格は影をひそめ、扇辰師の口調にもうきうきとした気分が現れてきます。しかし、悲しいかな今回のクライマックスは、そんなアカーキー・アカーキエヴィチが人生の絶頂から真っ逆さまに転落するところ。まさに人生一寸先は闇なのです。。


この作品は光文社古典新訳文庫『鼻／外套／査察官』の朗読と、翻訳者自身によるエッジの立った解説付です。

[収録：2008年2月16日　文鳥舎（東京・三鷹）]

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